腰神経叢ブロックとは
神経叢(しんけいそう)とは神経が合流して束になった部分のことです
硬膜外ブロックと神経根ブロックの中間的な役割を果たす注射で、硬膜外ブロックより注射の対象となる神経枝が特定でき、直接神経に注射するわけではないので、神経根ブロックに比べ注射の痛みは比較的軽いという特徴を持ちます。
注射はレントゲン透視やエコーなど特殊な機械を使っておこないます。大腰筋筋溝ブロック(神経枝を選択しない)ともいいます。
当院では主に神経枝を選択する無痛性の神経根ブロック様式でおこないます。
血液をサラサラにするお薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を内服されている方も受けられます。もちろん保険適応となります。
腰神経叢ブロックはどんな痛み・病気に効きますか?
腰やひざ、足などの痛みに適用されます。他にも、帯状疱疹に対しても有効です。
詳しく知りたい方は、下記よりご覧ください。
腰神経叢ブロックと他の注射の違い
患者さんが違いを理解しやすいよう、注射の痛みなどを一覧にまとめました。
注射の種類 | 痛み※1 | 注射の深さ | レントゲン透視 | 費用※2 |
---|---|---|---|---|
トリガーポイント注射 | ☆☆ | 約1cm | ー | 240円 |
仙骨ブロック | ☆☆☆ | 約2cm | ー | 1020円 |
硬膜外ブロック | ☆ | 約4cm | △(必要時) | 2400円 |
仙腸関節ブロック | ☆☆ | 約5cm | ○ | 1710円 |
腰神経叢ブロック | ☆ | 約6cm | ○ | 1710円 |
神経根ブロック | ☆☆☆☆ | 約8cm | ○ | 4500円 |
※1:注射の痛みはあくまでも目安です。個人差などで本来明確に比較できないものをあえて表現しています。
※2:3割負担の場合の注射のみの概算費用。初診料や検査料は別途。
腰神経叢ブロックの流れ
すべて過程においてスタッフがお手伝いさせていただきます。
準備
トイレは注射の前に済ませておいてください。
待合室で血圧の測定を行った後、レントゲン室へ移動しレントゲン台の上でうつぶせになります。
服は注射する腰の部分をめくっていただきます。
神経ブロック
腰を消毒してから、神経ブロックを行います。神経ブロック自体は1分以内に完了します。
安静
レントゲン室から車いす(もしくはストレッチャー)で安静室へ移動します。
安静室のベットで30分間、安静にしていただきます。途中何度かスタッフが血圧測定、経過観察にうかがいます。安静終了時刻になりましたら、スタッフがお知らせします。それまで絶対におひとりで立ち上がらないようお願いします。
ベッドサイドで足踏みをしていただき、脱力感が解消されたかをスタッフが判断します。解消されていれば安静終了、されていなければ延長になります。
医師と効果判定
最後に医師と神経ブロックの効果判定を行い、終了となります。
注射後、気をつけること
■当日の激しい運動は控えてください。
■入浴は、注射後6時間以上時間をあけてください。
■注射の回数に制限はありませんが、1週間に1回が目安です。